フィルターホルダーを作る

5月21日は金環日食らしい。
でも日付は21日、平日じゃん。
流石にカメラ構えてってのも……、とか思ったら時間的には仕事前。
しかも今回ほどの規模の金環日食をこの地で見られるのは向こう30年以上無いらしい。
でも天気が悪かったら一発アウトだし……

てな時に、キタムラに頼んでいた写真を受け取りに行ったタイミングで金環日食撮影用のマニュアルを貰ってしまう。

そんなんみたら撮りたくなるわ!

てなわけでレンズの選定とフィルターの選定が必要となる。
まぁ、なるべくでかく、確実に捉えたいってことで基本線はこんな感じで行く事に。

・CAMERA: NEX-5
・LENS: SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM CANON用 (AA)
・LENS+: KENKO デジタルテレプラスPRO300 2X DGX CANON用 (AA)
・LENS+: METABONES Eマウント用 電子接点付キャノンEFマウントアダプター
・TRIPOD: Geo Carmagne E645L (AA)

撮りメインの場合は、いつもどおり EOS 5D を使いたい所だけど、超望遠でマニュアルフォーカスとなるとちょっと合わせる自信がない。
と、いうわけで、カメラはライブビューが可能な NEX-5 にまかせる。
そしてレンズはキヤノン用のシグマの 50-500mm レンズを、やはりキヤノン用のKENKOの 2xエクステンダー でさらに拡大し、METABONESの無理矢理フィルターでもって NEX-5 に装着する。
計算すると、レンズの500mm×テレプラスの2×APS-Cの1.5=1500mm相当!
ナニゲにすげぇ望遠レンズだ……
こうなってくると足は手持ちで一番安定している いつもの E645L しか選びようがない。

構成が固まったら次はフィルターだ。
今回使用する SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM はフィルター径が95mmもあったりする。
これ用のフィルターなんて高いんだろうなぁ……
とか思って探すと。

無かった。

95mm径てのが特殊過ぎるのか、他の効果フィルターも込みで殆ど存在していなかった。
となると取れる手段は角形フィルターホルダーを使って10cmの角形フィルターを使うの1点のみ。
まぁ、世紀の天体ショーだし、ここは我慢して……

無かった。

角形フィルターホルダーも95mm用の物が存在しない!
そうこう言ってる間にさすが amazon
KENKO PRO ND100000 (AA) だけがGW中だと言うのにわずか1日で到着してしまった……
もう後には引けない。

よろしい、ならば作ろう。

作ることにした。

例によって設計図なんてものは作らない。
各所のサイズだけ計って適当に切り出して組み上げるのみ。
このいい加減さが後々大きな問題となるなんて……

光学パーツだしってことで黒の5mm厚のアクリルを準備。

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余裕があればアルミあたり使ってみたいけど、油を使える機械に余裕がなければアルミ切削のセオリーもいまいち解ってないから結局アクリルしか選択肢が無い!

パーツの設計から始まり、切削の完了まで大体10時間程度。

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若干の計算ミスはあったけど、それほど大きなトラブルも無く割とスムーズに進める事が出来た。
何かしらトラブルを起こす事を考えるとなかなか珍しい。

さて、全てのパーツは揃った!

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あとは組み上げるのみ!

とまぁ、これがまた組み立て自体も驚くほどスムーズ。
計算ミスによるネジ穴の大きさ違いなんてのも全く無い。

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いつもこうなら楽なんだけど……

と、早速フィルターを入れてみる。
花火撮影の時につかえるかな? と、何気なく買ってみた COKIN のフィルター共々セットしてみる。

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あれ?

予定……、というか想像よりフィルター用の溝が深い?
その為フィルターが保持されている上側の溝の余裕はだいたい0.1mmくらい。
これではちょっと傾けただけで隣のフィルターの溝に容易に移ってしまう……
なんとかなるけどこれは大きなミスの1つか。

そしてフィルターを嵌めきった時に次のミスに気付く。
レンズ側のフィルター径が大きい事もあって、ベースは大体12cmほどで作ってある。
そしてフィルターサイズは10cm。
サイドから指を入れられず位置の調整が出来ない!
当然正面から触れば動かせるけど、フィルターそのものを触る訳にはいかない……
ここでミス2

そしてついに決定的な設計ミス発覚。
このフィルターホルダーは、枠の余裕が殆ど無い95mm径のプロテクトフィルターではなく、SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM のフードアダプターに取り付けようと設計。
このフードアダプターへの装着用の溝にゆとりがありすぎ、手で押さえてないと保持出来ないという大問題が発覚。
まぁ、それでも当日はテープなんかで止めてしまえば……
しかしこれも不可能な事が発覚!
なんとなくフードアダプターの形状をみて、被写体側はこっちだなと思う方のサイズを計って設計。

逆だった……

最低だ……
ありえないことに、レンズ側の径を計って設計してしまった為、フィルターの保持も何もそもそも装着することが出来なかった!
まぁ、普段フードアダプターとか使わないし、この時はじめて箱から出してきたってのも失敗の原因の1つなんだろうけど、なんとも間抜け過ぎる。
ミスもなにも、完全な失敗作だコレ。

幸いGWはまだある。
やはり保護フィルター想定で作るとするか。

全体的な設計図は書かないけどな!

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